震災1ヶ月前「子育てしやすい」柏市に転居してきた一家の再移住顛末記:(浦安の子育て家庭の皆さんへ)避難する人が非科学的でも冷静さを失ってるわけでもないことがわかります。

@MasakiOshikawa Masaki Oshikawa 2011.1.15
「子育てしやすい環境」の柏に2011年2月に転居してきた猫山家の移住顛末記→ ow.ly/8px10 すごくリアルで、身につまされます。避難する人が決して非科学的でも、冷静さを失ってるわけでもない、という良い例。「何を取り何を捨てるか。正解はない。」 その通り。
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(以下、転載です。:敬意をこめて…)
「猫山家の例。柏市からの移住。放射能から退避。」
猫山家の移住顛末記( ow.ly/8px10

2011年10月1日に猫山家では家族移住を開始、11月1日に完了しました。
移住に至る経緯を紹介します。何かの参考になりましたら幸いです。

【はじめに】

●猫山家は2011年2月22日に「柏市は子育てしやすい環境である」と考え、子供の成長を楽しみにこの地に永住するために住み着いた。緑が多い場所で子供とどろんこになって遊びたかったからである。
●しかし東京電力福島第一原子力発電所の事故によりそれが全て白紙撤回となった。
●(後から分かったことだが)2011年3月21日早朝、放射性雲が柏市上空にあり降雨によって放射性物質が大量にフォールアウトし、そこから土壌の汚染が始まった。これについてはササユリの咲く頃に。が詳しい。
●私がインターネットからの情報で柏市がホットスポットなのではないかと気づいたのが5月初旬だった。
●しかし、下記の記事でその疑念が打ち消されてしまった。

読売新聞 平成23年5月16日朝刊から転載

「チェーンメールで放射能のデマ拡散」

福島第一原発の事故に関連して、千葉県の柏、松戸、流山と、埼玉県の三郷の計4市で、飛び地のように放射線の観測値が高くなる「ホットスポット」が発生しているといううわさがチェーンメールやツイッター、ネット掲示板で広がっている。

文部科学省原子力災害対策支援本部は「千葉と埼玉で観測されている数値は平常値と変わらない」としており、日本データ通信協会迷惑メール相談センターは「公的機関や報道機関などの根拠ある情報を確認してほしい」と注意を呼びかけている。

チェーンメールは、eqchain@dekyo.or.jp 、悪質メールは、eqmeiwaku@dekyo.or.jp へ。

●デマ拡散の記事が実はデマだった。これによって私自身の初動が遅れたのが悔やまれる。そしてこの記事によって柏市で最初に声を上げたお母さんたちの立場が窮地に立たされたことも申し添える。未だに訂正、謝罪がないことも大変遺憾である。
●念のためガイガーカウンターGM-10をUSに発注して自宅まわりの放射線量を計測した。Cs137換算で0.4μSv/hを超えるところが多く、場所によっては2μSv/hを超える数値を計測した。

●上図は文部科学省の「はかるくん」貸出施策で求められた各都道府県の放射線量の平均値(原発事故前)だが、千葉県は0.032μSv/hである。この値を見て私は愕然とした。空間線量だけで10倍を超える放射能が自宅近辺にあるという事実。柏市のホットスポットはデマではなく本当だったのだ!もしかするとこれは生命に関わる重大な事象が身近に発生しているのではないかと考え、Amazonで30冊くらいの関連書籍を買い求め読み漁り、調査研究に没頭した。


【そこで分かったこと】

●放射能には安全閾値はない。浴びてもいい線量などは存在しない。ごく僅かでも危険である。
●自然界から浴びる放射能(食物摂取によるものも含む)も決して無視できる値ではない。例えばK40は穀物やバナナに含まれ食べると被曝するが、だからといってCs137やSr90を摂取してもよい理由にはならない。下図参照。

核種
半減期 経口摂取(μSv/Bq) 吸入摂取(μSv/Bq)
I-129 1570万年 0.11 0.036
I-131 8.04日 0.022 0.0074
I-133 20.8時間 0.0043 0.0015
Cs-134 2.06年 0.019 0.02
Cs-136 13.1日 0.003 0.0028
Cs-137 30.0年 0.013 0.039
Pu-238 87.7年 0.23 110
Pu-239 2.41万年 0.25 120
Pu-240 6564年 0.25
Sr-89 50.5日 0.0026 0.0079
Sr-90 29.1年 0.028 0.16
K-40 29.1年 0.0062 0.003

・↑CsやKなどの核種の違いで被曝量が異なることに注目。そして体内に蓄積される部位がCsは筋肉、Srは骨である。CsとSrの体内での挙動はそれぞ れK、Caに似ているが細胞に与える影響については未だ研究途中。心筋への影響、腎臓や膀胱への影響、骨ガン、白血病などの原因と言われている。不明である以上避けるのが賢明。
・そしてK40は人類が誕生(約10万年)した時にすでに自然界に存在し私たちは共存しながらここにいるのだが(共存できなかった種は絶滅したと思われ る)、Cs137やSr90は人類が出会って高々70年程度。人種によって薬剤の効果が違う(社団法人秋田県薬剤師会「百薬一話」1998-4-12よ り)ことを考えると放射能に強い人、弱い人が存在することはむしろ当然であろう。
*「胎児」と「乳幼児」が放射能に弱いことはすでに分かっている。細胞分裂が盛んな時期に放射線を浴びると悪影響があることには学者間で異論がない。

●一般公衆が晒されてもいいとされる線量は年間1mSvだが(放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律)現状では政府がみずからその法律を破っている。そもそも放射線管理区域内で運用される線量であり、広範囲に放射能汚染された場合の法律がない。このことが外部被曝や内部被曝の規制値が曖昧になる元になっている。
●原発事故が発生してから突然「放射能は浴びても安全」という学者が急増し不信感を持った。もし安全であれば巨大な原発プラントは過剰投資だったのではないか。
●電力会社は「放射能が漏れないから原発は安全」という宣伝だったが、それはつまり「漏れたら危険」ということである。
●漏れ出した放射能は事故発生から2011年3月16日までに想像を絶するとてつもない量77万TBqと発表している(原子力安全・保安院)が現在進行形でまだ漏れ出していること。
●ICRPの提唱するガン発生リスク(1mSv/年で1万人に1人)とUSの科学者・医師ジョン・W・ゴフマンの(1mSv/年で1万人に37人)があまりにもかけ離れているので真実がどこにあるか分からなかった。
●あくまでもガン発生リスクだけで、長期間の低線量被曝については全く知見がないこと。比較される原爆の被害とは性質が異なること。(放射能の残存率:原爆は1年で1/1000、原発は1/10)
●医師でもある菅谷松本市長から長期低線量被曝による免疫力低下「チェルノブイリAIDS」の話を聞き、衝撃を受けたこと。
●原発事故の対応はICRP(国際放射線防護委員会)のALARA(as low as reasonably achievable)に則っている。
●「合理的に達成できる限り低く」は「合理的でない限り低くしなくて良い」と文科省は解釈。要はお金がかかるのだから多少の命の犠牲は諦めよということ。
●しかし文科省はICRPの「正当化」と「最適化」の原則を守らず「勝手に」「被曝する国民の合意を得ずに」年間被曝量の閾値を上げている。国際的に非難を浴び、外国人が日本から逃げ出すのは至極当然であること。
●時間のある方はICRP Publication 111(日本語訳はドラフト版)を是非読んで欲しい。日本政府が全く、繰り返すが全く最低限の手当もしていないことがよく分かる。
●年間1mSvという値は安全閾値ではなく原子力災害からの復旧を合理的に進めるにあたって決められているので、経済的でない場合は5mSvや10mSv などと上限を引き上げることが出来る。ICRPのガン発生リスクで見積もると5人~10人、ゴフマン博士のガン発生リスクで見積もると185人~370人 の過剰なガン死となる。仮にゴフマン説を取ると、最悪ケースで1万人に370人の過剰なガン死。100人に3.7人の過剰なガン死となる。
●しかも2人に1人はガンに罹患し、3人に1人はガンで死ぬ時代である。その死が原発事故由来であるかどうかは今の医学では分からない。分からないことをいいことに過剰なガン死も統計誤差として闇に葬られる可能性がある。
●人はいずれ死ぬが、健康でいようと努力する。放埒な生活でよいとする人もいる。生き方や死に方は自分で決めたい。もしかすると自分の死因が100人に3.7人の過剰なガン死だとしたら自分で決めたことにはならない。殺されたのと同じである。

●つまり、

原子力産業>生命

であることが分かった。生命軽視が原子力産業の本来の姿でありウランの採掘から始まりプラントの保守作業まで「被曝」という差別構造がありこの産業のダークサイドを垣間見た。
●そして危険かどうか分からないのであれば、安全サイドに立ち、可能な限り子供を守りたいと決心した。
●しかも、3月のフォールアウト後にも子供は外で遊んでいる。これ以上の被曝は避けねばならないと考えた。


●米ソ核実験の時よりCsの降下量が少ないと思っている方々は東京大学物性研究所押川正毅教授の資料が参考になる。

過去40年間の降下累積量に匹敵するCsが2011年3月から5月の2ヶ月間で東京都新宿区に降り注いでいる。はたしてこれは安全と言えるのだろうか。


【除染作業と限界】

出来る限り子供の被曝量を下げようと努力した。6月下旬には携帯型の線量計も手に入れた。汚染された芝生を剥いで、コンクリートを打った。
新たにコンクリートを打った場所は下記の通り放射線量が下がった。0.098μSv/h

しかし、フォールアウトを受けた場所はどれだけ頑張って除染しても線量はあまり落ちない。0.262μSv/h

デッキブラシでこすっても細かいコンクリートの目地に入り込んで固着した放射性物質は除染出来ない。

●作業を中断してまわりの風景を見た。よくよく考えたら自宅だけ除染しても環境全てが汚染されているのであまり意味がないことに気づいた。竹槍でジェット戦闘機と戦うようなものだ。やるなら面的に実施しないと本当に子供を守れないと悟った。
●そしてこのまま子供が成長して自由に行動するようになった場合、その行動範囲全てを除染するのは不可能。道路、側溝、近所の公園、学校など沢山ありすぎて気が遠くなった。
●放射能は物理的半減期以外で減ることはなく、除染は他の場所への移染でしかない。

圧倒的な汚染に限界を感じた…。


【内部被曝と外部被曝】

●チェルノブイリ事故では内部被曝も問題になった。内部被曝は呼吸からの被曝の他に食物からの被曝もある。実は放射能汚染で一番気をつけなければならないのは食物からの内部被曝である。

・下図はセシウムの体内蓄積の例(「食卓にあがった放射能」(高木仁三郎著)より抜粋)

・下図は各種乳製品への移行の例(「食卓にあがった放射能」(高木仁三郎著)より抜粋)

・下図はSr90の水中生態系の濃縮の例(「食卓にあがった放射能」(高木仁三郎著)より抜粋)

●特に関東に住むと西の野菜、肉、瀬戸内や日本海の魚が手に入りにくい。
・下図はセシウムの内部蓄積量をグラフ化したもの(出典:週刊金曜日2011.10.14号P17)

食事に気をつけていないと内部被曝する…。

【次々と明らかになる放射能汚染】●平成23年米が出荷された。福島県の一部では110Bq/kgのお米を出荷している。米は主食なの で摂取量が多いとどんどんセシウムが体に蓄積されていく(上図参照)。セシウムがあればストロンチウムも一定量ある。下図は米の汚染について表したグラフ である。(単位がミリベクレルなので注意。10の-3乗。)(出典:東京大学早野龍五教授)

●この図によると、米の汚染は核実験が盛んな頃でも100Bq/kg未満であり、最近では1Bq/kg未満の汚染であることが分かる。110Bq/kgの汚染がいかに凄まじいものか分かる。

●また、東京都新宿区の土壌調査が公式に発表された。

土壌採取場所:東京都健康安全研究センター(東京都新宿区百人町)
試料採取日:平成23年9月6日
測定器種類:ゲルマニウム半導体検出器

放射性物質

深さ0~5センチメートル

深さ5~20センチメートル

Bq(ベクレル)/キログラム

Bq(ベクレル)/キログラム

ヨウ素131(131I)

ND(不検出)※

ND(不検出)※

セシウム134(134Cs)

360

4.2

セシウム137(137Cs)

430

7.1

セシウム合計

790

11.3

※測定値がその測定誤差の3倍以下の場合には「ND(不検出)」と表示

(参考) 過去5年間(平成18年度から平成22年度)の測定結果
深さ0~5センチメートルの土壌
ヨウ素131、セシウム134はND(不検出)
セシウム137は2.00Bq(ベクレル)/キログラム~3.67Bq(ベクレル)/キログラム
深さ5~20センチメートルの土壌
ヨウ素131、セシウム134はND(不検出)
セシウム137は2.3Bq(ベクレル)/キログラム~3.37Bq(ベクレル)/キログラム

新宿でも約200倍の汚染を受けていることを知り、衝撃を受けた。
民間の土壌汚染調査でも、柏市あけぼのでCs134、137合算で1380Bq/kg、柏市松ヶ崎で1996Bq/kgという数値が出ている。
平米あたりに換算すると9万Bq/m2となり「放射線管理区域(4万Bq/m2)」に該当する。 横浜のマンション屋上の堆積物からSr90が検出されたことから、Cs134・137で1000Bq/kg以上存在するならばSr90も10Bq/kg以上存在している可能性がある。


【自宅周辺の放射能汚染の観察】

側溝の汚泥をさらった場所(柏市戸張)から2.638μSv/hを測定した。最悪なことに1日放置してあったので子供の靴跡が残っていた。おそらく蹴りを入れたりして遊んだのだろう。この線量から想定すると1万Bq/kg以上はある。

落ち葉の溜まるグレーチング。子供が好きそうな場所。柏市戸張。1.902μSv/hを測定した。

柏市戸張。例年の秋にはどんぐり拾いとか、落ち葉踏みが出来るはずだが、吹きだまりに放射能は溜まりやすく0.421μSv/hを測定。子供は近づけないほうが良い。

流山市の小学校では稲刈り後の田んぼで虫取りを実施するとのこと。田んぼは鋤込んでいるし水の流れがあるから若干線量が低い。しかし土壌汚染はあり、小学生の児童を0.280μSv/hの場所に入らせる学校の姿勢がどうにも理解できない。

(参考)渋谷(道玄坂)の植え込みも柏市戸張の田んぼの汚染度とそう変わらない。0.236μSv/h


【首都圏に住み続けるかどうかの迷い】

●千葉県東葛地域は福島県の中通りと同じくらいの汚染度であることが分かる。会津よりも汚染されている。
●東葛地域の汚染はもとより、首都圏全体が汚染されていることが分かる。
●特に首都圏の台所と呼ばれる地域の汚染がひどく、農作物・畜産物への安全が担保できなくなっている。

●東京都の水源地である奥多摩の汚染も深刻。東関東の水源地である栃木、群馬の山間部の汚染も深刻。
●雪解けと共に放射性物質が川に流れ込むこと、春には関東ロームの成因である土埃が舞う(群馬大学早川由起夫教授)。当然土埃には放射性物質が付着しているので吸引による内部被曝の危険がある。
●柏市では焼却灰から高濃度の放射性物質が検出され、埋設処理できなくなっている。剪定後の枝葉など放射性物質が付着しているものを分けて回収し、それらを焼却しないことで何とか基準値をクリアしている。
●今後水とゴミ処理という、都市機能を維持していくための重大な機能が徐々に失われていくことが想定された。
●これから子供を育てていくのにはどうしたら良いのか、迷いに迷った。
●移住するにせよ、これまでの仕事やキャリアを失い、住宅ローンは残り、新しい土地での慣れない生活は大きなストレスになる。いよいよ迷いは深くなってきた。


【今後の人生で判断せねばならないこと】

●迷いながらも「安心」情報をネットで検索したが、「放射能は100mSvまで安全」「多少の汚染は食べても大丈夫」「交通事故やタバコで肺がんになる確率より低い」「正しく怖がる」などと根拠のない気休めの情報しか存在しない。
●レントゲン撮影を妊婦や乳幼児にさせないのは放射能の影響があるから。多少の汚染も毎日食べれば既出のICRP PUBLICATION 111,2009のグラフのようになる。そして、確率で子供の命を考えたくないし、核種の特定ならびに正確な放射能測定データがないと正しく怖がりようが ない。
●野田市北部は奇跡的に放射性雲の直撃を受けなかった場所で、そこへの移住も考えた。妻も仕事を辞めず、私も辞めずに済むからである。

清水公園の空間線量。0.074μSv/h

清水公園の落ち葉。0.121μSv/h

清水公園の芝生。0.141μSv/h

●どの地点も汚染はあるものの住むには問題なさそうだ。しかし…。次の事柄を考えると再び迷いが生じた。

・まだ言葉が通じないので地面のどこを触るか分からないし、触った手でそのまま口に持って行く可能性もあるので、あれもこれもダメという子育てをする自信がない。
・幼稚園、小学校に上がったとして放射能防御のための校内行事不参加、放射能汚染地域での校外学習不参加の意志を貫き通すことが出来るか。
・例えば、芋掘り。子供に収穫の喜びを教えるのは大変貴重で重要なことだ。友達との絆も深まるだろう。しかし、年一回であれ10万Bq/m2で汚染された土での芋掘りは子供にとって大変危険なことだ。この判断をどうすべきか私には答えを出せない。
・生活科で「稲刈り後の田んぼで虫取り」が計画されたらどう判断するのか。文科省の資料では関東・北関東は高濃度に土壌が汚染されているのが明らか。それを無視して参加を迫られたらどうするのか。
・それらの活動で子供が健康を害したら(放射能が原因かどうかに関わらず)活動に参加させたことを一生悔いるだろう。リスクを承知でどんな結果でも受け入れられるのか。
・放射能を気にする親と、気にしない親との確執がこれから増えてくると思われる。圧倒的にマイノリティである「気にする親」は気にしない親に気圧されていき、居場所が無くなっていくだろう。その圧力に親子で耐えられるかどうか。

●これら高度な判断を毎年続けていく必要があるのだが、私は臆病な性格なので意志を貫き通す自信がない。
●都内や横浜市への引越も考えたが、土壌汚染されている事実には変わりなく、校外活動に日光、那須塩原、川場村へ連れて行かれることと、給食に東日本の食材が使われたりすることから(練馬区は23年新米も引き続き福島産がブレンドされた米を給食に出すと公表)東葛地域に住むのとそう大差はない。
●都内の踏査結果。写真にはないが、空間線量は0.086μSv/h~0.098μSv/h。事故前は0.02μSv/h~0.04μSv/hと想定(根拠:後述の小山教授の資料)。土壌の汚染が確認できる。

渋谷区神山町。雨樋下のアスファルト。0.183μSv/h

渋谷区神南。歩道脇の植え込み。0.138μSv/h

小田急線代々木八幡駅踏切脇の草むら。0.117μSv/h

世田谷区東玉川二丁目民家植え込み。0.131μSv/h

世田谷区東玉川二丁目民家植え込み。0.112μSv/h

世田谷区東玉川二丁目駐車場雨樋下。(マイクロホットスポット)0.609μSv/h

思い悩むより移住する

●放射能が危険か危険でないかは学者の間で議論していただければ結構。しかし未来に危険だという結論が出ても時間は巻き戻せない。
●東京電力福島第一原子力発電所の事故はまだ収束していない。メルトダウンした核燃料がどこにあるかすら分からず2号機、3号機は原子炉建屋の中に入ることすらできない
●色々考え、悩むよりも移住した方が良さそうだという結論に達した。
●相手は放射能なので戦っても100%負ける。逃げるしか勝ち目はない。
●そして電気の供給会社を東京電力から変更したいと思った。
●愛知県にある実家も協力的で、同居を快く賛成した。(←すぐに大きな裏切りを受けることになる)


【実家への移住に際して】

●私の実家に移住するので、妻ができるだけストレスを感じないようにすること。
●同居が無理だと感じたら早めにアラートを出し、次の手(独立してアパートを借りるなど)を打つこと。
●実家への移住が全てではない(選択肢のひとつ)と考え、気楽に生きること。
●茶葉の汚染が明らかになって薄く汚染されているようだが踏査して問題がなければ移住は静岡市内でもよい(私が新幹線通勤出来るので、収入は保てる。妻も現地で仕事がある)。
●今のところ(2011年10月初旬)良かったこと。
・子供が広々とした公園で思う存分遊ぶことができる。

・移住後、一週間で子供の顔色が震災前のそれに戻ったこと。
・食材が基本的に西日本のものなので、買い物が苦にならないこと。内部被曝を極力減らすことができること。


【一ヶ月足らずで愛知の実家を放り出される(泣)】

●移住をきっかけに実家との関係修復を考えていたが、甘すぎた。
●実家への移住の発想は「災害ユートピア」だった。幻想なので崩壊する。崩壊するとお互いの利害が対立する。
●むき出しになった利害関係というのは血縁、地縁であるほど激しく対立する。
●元々実家との関係がうまくいっていなかったので当然の帰結だが、私の「実家へ避難」という短慮で妻を深く傷つけてしまった。
●実家へ移住、避難をする場合はそれまでの関係を振り返り、良好な関係である場合のみ選択すべき。
●私は自宅を汚染で失い(3/11以降も変わらず建っているが)、実家を関係悪化で失い(二度と戻ることはない)、大切な伴侶を人間関係で傷つけ、1歳10ヶ月の息子を放浪させることにしてしまった。深く反省。
●Twitter(@nekoyamax)で呟いたところ、同じような経験をされた方が沢山いてびっくりした。また温かいTwやDMをいただきとても励まされた。
●ということで、急遽ライフプランを変更。まだ大幅に自分の仕事を含めてプランを変更してなくて良かった。早く気づけてラッキーと思うことにした。


【どこに住めばいいのだ!!(泣)】

●妻子だけでも東京電力福島第一原子力発電所から遠く離れた場所へ避難させたかった。できれば九州、沖縄まで。いや海外まで。
●しかし実家での体験からもう家族は離ればなれになりたくないという意見は一致した。子供が成人するまで18年。離ればなれは不可能だった。
●私は不動産を所有し住宅ローンがある。ローンは現在の収入を元に組んだものだ。移住し、転職し年収を下げることは経済的に立ちゆかなくなる可能性がある。
●柏の住宅は子供が小さい今は住めないと判断するが、20年後子供が就職して私が仕事をリタイヤしたら再び住むことが出来る。終の棲家を先に買ったことにして納得した。
●新幹線で通勤が認められる範囲で東京電力福島第一原子力発電所から遠く、事故時のCs降下量の一番少なかった場所を探した(出典:中日新聞2011/10/3朝刊第7面)候補として最初に案の出た「静岡駅」近辺になった。


●内部被曝をできるだけ防ぐために西の食料が簡単に手に入るメリットと、5月までのCs降下量1286Bq/m2のデメリット。家族で住むメリットと、西日本への避難で家族がバラバラになるデメリット。どこに重点を置くか悩みに悩んだ。
●夫婦で力を合わせて小さな命を育むことを最優先とした。あとは食べ物に気をつけていれば子供の校内外活動にストレスを感じない地域とし、若干(20Bq/kg程度)の放射能汚染は許容することにした。
●何しろ長丁場。汚染は2~3年では終わらない。自分が死んだ後でもこの事故由来の放射能汚染は続く。だからより続けられる選択をした。
●結局、静岡市葵区にマンションを借りた。福島第一原発からもっと遠く、より西日本でという選択肢は上記の事情で選べなかった。
●もちろん、線量計(A2700)を持って市内を踏査した。落ち葉が集まる部分は若干高いが、発芽後5月までのCs降下が原因で、来年は心配ないと思われる。踏査結果を写真で示す。

葵区呉服町二丁目。街路樹の根の苔。0.047μSv/h

駿府公園。芝生。0.032μSv/h

駿府公園。草地。0.033μSv/h

城北公園公園。落ち葉。0.065μSv/h

城北公園。腐葉土と側溝汚泥。0.046μSv/h

城北公園。落ち葉。0.061μSv/h

城北公園。木の根もとの苔。0.047μSv/h

路線バス車中。走行中。0.027μSv/h

駿府公園。木のベンチ、0.029μSv/h

駿府公園。落ち葉。0.085μSv/h

駿府公園。土。0.033μSv/h

駿府公園。松葉を集めた場所。0.051μSv/h

葵区のコンビニ駐車場手持ち。0.052μSv/h

葵区の小学校グランド手持ち。0.058μSv/h

*静岡県は富士川を境に地質が変わり、静岡市内のバックグランド放射線量は0.04μSv/h~0.06μSv/h程度と思われる。
(出典:「静岡県内の地上放射線量分布(とくに伊豆半島を中心として)」静岡大学小山真人教授)

*踏査結果の数値と矛盾がないことを確認した。

何を取り何を捨てるか。正解はない。

あとは浜岡原発が再稼働しないことを祈るだけだ。これだけ破局的事故が発生しているのにまだ原発再稼働にこだわる人には大変な違和感を感じる。


【最後に】

●長々とお読みいただき感謝申し上げる。このページは猫山家が移住するにあたって何を調べどう考えそれによってどう行動したかを記録したものである。
●各家庭にはそれぞれご事情があり、そのご事情のもとに行動されることをおすすめする。
●この事故の責任は東京電力と日本国政府にあるが、私たち大人の原子力に対する無関心にも責任の一端はある。
●福島で作られながら全く現地では使われない電気は首都圏の享楽的な生活を支えていた。そして原子力災害で福島の方々は土地を追われ、汚され、仕事を失い、コミュニティを分断された。
●この事実は重く受け止め、今一度都市の享楽的な生き方を見直すべきだと考えている。食卓にあがった汚染された食べ物を見て、これまでの人生を振り返ろう。

港区六本木の土壌も0.207μSv/hあり汚染が確認できる。福島からの警告に耳を傾けよう。

六本木通りと外苑西通り交差点の空間線量も0.105μSv/hある。地上高約1.5m。無関心ではいられない数値だ。

●その上で東電、政府の責任を追及すべきだと思う。
●私自身はIT関係の会社に勤務する平凡なサラリーマンなので、放射能に関する知見は「門前の小僧習わぬ経を読む」程度とお考えいただきたい。

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